【導入事例】

大阪大学 大学院医学系研究科 / 生命機能研究科 免疫細胞生物学教室  様

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世界に先駆けた独自の骨髄in vivo イメージングを支える2光子励起顕微鏡用フェムト秒レーザ


骨髄のin vivo イメージング

大阪大学大学院 生命機能研究科/医学系研究科 石井 優 教授

骨は極めて硬い組織で光をほとんど透過させないので、生きたままの状態で内部を観察することは不可能であると考えられてきました。しかし、大阪大学 免疫細胞生物学の石井研究室では、2光子励起レーザ顕微鏡という特殊な光学顕微鏡をうまく利用することにより、骨の内部・骨髄腔を動物が生きたままの状態で観察すること(=骨髄腔内の「非破壊検査」)に世界に先駆けて成功しました。
2光子励起レーザ顕微鏡では、通常の蛍光顕微鏡で使われる可視光・紫外光レーザよりも波長が長く、生体組織の透過性に優れる近赤外光レーザが用いられています。研究当初は、近赤外光レーザでさえ固い骨を透過しにくく、骨の内部を観察することは なかなかできませんでした。しかし、折しも観察に適した出力の高いレーザが開発されました。さらに、石井教授は、光源やミラーなどの光学素子の改良、また特定の細胞でだけ蛍光を発するような観察用マウスも開発、さらに生きている動物を観察するための方法も工夫し、試行錯誤を繰り返した上で、ようやく2光子励起顕微鏡で骨を200μmの深さまで観察できることに成功しました。実験では、麻酔をかけたマウスを顕微鏡の観察台にのせて、頭頂部の骨に外からレーザ光をあて観察します。このような観察では、骨にはいっさい傷つけずに内部の観察を行うことができます。今では、骨だけでなく、皮膚やリンパ節、肝臓や腸管などさまざまな組織の細胞を生きたまま顕微鏡で直接観察できるようになっています。

こうした世界に先駆けた生体イメージングの実現により、今まで謎めいていた骨髄の中の生命現象が、手に取るようにリアルにわかるようになっています。一例として、破骨細胞の動きのイメージングがあります。破骨細胞は、通常の状態では古い骨を吸収して骨質のリモデリング(新陳代謝)に役割を果たしていますが、炎症が生じた時には、骨を過剰に壊します。破骨細胞は、血液中のマクロファージ゙系由来の細胞で、これが骨表面に到達して「骨を食べるのに特化したマクロファージ」となったものです。骨髄内を生きたままでイメージングできるようになったことで、この「マクロファージが骨に到達するメカニズム」や「骨の表面で実際に骨を破壊するメカニズム」を、実体的に解析することが可能となり、骨の破壊には破骨細胞の数だけでなく、機能状態の調節が重要であることを明らかにしました。
骨の中は様々な免疫細胞・血液細胞が誕生し、分化して機能する場です。また、転移性のがん細胞の隠れ場所でもあります。このように、骨の中を生きたままで解析することで、免疫学・血液学のみならず様々な生命科学の分野において今後も様々な研究成果が期待されているのです。

生体イメージングによる骨髄腔の可視化

生体イメージングによる骨髄腔の可視化

生体イメージングによる骨髄腔の可視化

骨髄腔の4Dイメージング

骨髄腔の4Dイメージング

免疫細胞は広い体の中でどうやって動き、働いているのか?

また、石井研究室では、リンパ球やマイクロファージが情報交換をする「リンパ節」や「脾臓」、外界との最前線である「皮膚」「消化管」「肺」のイメージングに挑戦する事で、定常状態や炎症刺激時に、各免疫細胞がそれぞれの臓器で、どのような動態を示すかを解析しようとしています。種々のイメージング技術を用いて、抗原提示(樹状細胞やマクロファージとリンパ球の情報交換)の現場や、皮膚や肺・腸をマイクロファージがパトロールする様子を生きたままの状態で可視化することにより、免疫・炎症細胞の織りなす社会活動のダイナミクスを制御するメカニズムを解決すべく、研究に取り組んでいます。

がんはどのようにして浸潤・転移していくのか? 再発するがんはどこにいるのか?

がん細胞が浸潤し、他の臓器に転移するメカニズムの解明にも、やはり「生体2光子励起イメージング」がパワーを発揮します。更には、がん幹細胞がどこにいるのか、どんな環境で支えられているのか、これも「生体2光子励起イメージング」で明らかにしうる課題の一つです。このように、イメージング技術をさらに改良することにより、いまはまだ見ることができない現象を、見えるようにするため日々研究に励んでいます。

生体イメージング技術による種々の組織・臓器の可視化

生体イメージング技術による種々の組織・臓器の可視化

導入レーザ

生きた細胞組織のイメージングでは、組織のより奥深い部位をより高速に画像化すること、S/N比の向上、細胞損傷の抑制がそれぞれ重要なため、広い波長可変範囲と、高出力、超短パルスのフェムト秒レーザ光源が必要となります。そのため同研究室では、複数各社の顕微鏡とともに、広帯域にわたる連続波長掃引が可能な高出力Ti:SレーザChameleonシリーズを複数導入いただき、2光子顕微鏡の光源として活用いただいています。

研究室ラボ導入風景

研究室ラボ導入風景

導入レーザ製品

自動波長掃引 フェムト秒レーザ

Chameleon

Legend Elite Duo
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