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トップインタビュー (掲載誌:日経ビジネス2011年9月26日号)

このコンテンツは、日経ビジネス2011年9月26日号に掲載されたもので、日経BP社の許可を得て当ウェブサイトに掲載しています。
(※レイアウトを再構成して掲載しています。)

トップインタビュー

光の単色性や指向性に優れ、高度な分析や加工に欠かせぬものとなっているレーザー。そうしたレーザー関連製品の提供を通じて産業や研究開発を支えてきたのがコヒレントである。日本に1981年にオフィスを設立して以来、国内ユーザーの高度な要求に応えるべく、アプリケーションラボを開設するなど、カスタマーサポートに注力。日本法人の代表取締役を約10年務めるジョン・デービス氏に、同社の強みや日本市場への取り組みを聞いた。

コヒレントの概要について教えてください。

コヒレントは1966年に米国で創業したレーザーおよびレーザー計測機器の開発から販売までを手掛けるグローバル企業です。北米、欧州、アジアに生産工場を置き、日本をはじめとして主要な国や地域に支社を展開しています。安定した財務基盤と成長性を特長としており、直近12カ月の全世界での売上高は、約7億USドルです。

扱っている製品と、活用されている分野を教えてください。

当社は10mWから数kWの範囲の中出力レーザーを専門としており、連続発振タイプの製品と、フェムト秒(1000兆分の1秒)やナノ秒(10億分の1秒)などのパルス発振タイプの製品を、それぞれ幅広い波長にわたって取りそろえています。代表的な応用分野は、エレクトロニクス、バイオメディカル、マテリアルプロセス関連です。プリント基板の生産、フラットパネル製造、ガラス切断、レーザーマーキング、フローサイトメトリー、レーザー顕微鏡、近視治療(LASIK)などの他、生体分子イメージングや時間分解分光などの研究応用で利用されています。

コヒレント・ジャパン 代表取締役社長 ジョン・ラッセル・デービス氏 John R. Davis
コヒレント・ジャパン代表取締役社長
ジョン・ラッセル・デービス氏
John R. Davis

 

コヒレントならではのテクノロジーがあれば紹介してください。

レーザー関連特許を約400件保有するなど、優れた技術力が当社の強みの一つです。その中の代表的なテクノロジーとして「PermAlign」が挙げられます。光学部品を熱膨張率の低いインバーボード上に正確に、完全固定するセミロボテック生産技術です。この技術を用いることで、調整、クリーニングが一切不要になる上、ユニット間の再現性に優れた製品を生産できるようになりました。

レーザーのニーズが増えている理由はどの辺にあるのでしょうか。

エレクトロニクス分野においては、高密度化による回路パターンの微細化や薄型化のトレンドがレーザー導入の必要性を高めています。スマートフォンやタブレットPCなどはその一例です。また環境意識が高まる中、CO2の削減や化学物質を用いないプロセスが求められています。環境に配慮して、レーザーを選択するケースが増えています。

日本市場をどのように見ていますか。

日本の産業界や研究機関が取り組んでいる技術分野は極めてレベルが高く、広範囲にわたっています。また技術の進歩や環境およびコストの意識により、従来の技術では満足できないお客様から、「レーザーを使ってこんなことはできないか」といったお問い合わせも多く、実際に日本のお客様の発想が基になってレーザーの新しい応用が開発されるケースも少なくありません。そこで、アプリケーションラボを日本オフィス内に開設し、用途に応じた検証ができる体制を整えました。多種多様な製品から最適なソリューションを提案できる弊社のビジネススタイルは、高い技術力を世界に誇る日本のお客様のニーズにマッチし、日本支社は、米国本社に続き、世界第2位の売上高を達成しています。

日本オフィス内に設けられたアプリケーションラボ
日本オフィス内に設けられたアプリケーションラボ

エネルギーとバイオ応用が拡大

レーザーの応用拡大が期待される分野を教えてください。

特にエネルギー分野への応用が新たに広がると見ています。高性能なパワー半導体、太陽電池パネル、次世代バッテリーなどの開発や生産にレーザーが活用されるでしょう。バイオ分野も引き続き高い成長が期待でき、今年、同パッケージ、同機能で広い波長領域をカバーする新シリーズ「OBIS」を市場投入しました。いずれの分野も技術が進歩すればレーザーの応用も必然的に増えるため、市場の成長性については特に心配していません。

バイオやメディカルの応用に適した新モデル 「OBIS」シリーズ
バイオやメディカルの応用に適した新モデル 「OBIS」シリーズ

日本支社の役割とは何でしょうか。

日本のお客様のニーズやビジネスを深く理解し、お客様の製造や研究開発に貢献すること以外にありません。そのためには、まずコミュニケーション能力の高い人材の採用と育成に注力しています。次に、問題解決のためのチームワークの形成、さらに会社の目標と現状の問題を全社で共有し、社員が一丸となって、お客様のサポートに取り組む体制を整えることが重要だと考えます。今後も技術革新が進むにつれ、お客様のニーズもますます多様化していくものと思われます。今まで以上に、お客様の声に耳を傾け、充実したサポートと最適な提案ができる企業を目指します。レーザーを通して、日本経済の発展に貢献することが日本支社の役割だと考えます。